①活動家型試練
集団が新たな現実に向き合うことによって、生活の質や組織のパフォーマンスが向上する可能性がある試練。
この試練に対応するために必要なリーダーシップは、これまで前提とされてきた考え方や価値観、プライオリティを再考したり、修正するよう人々に迫ることだ。つまり新しい現実やアイデアが受け入れられるように尽力することだ。

②発展型試練
集団の潜在能力が十分に発揮された場合、生活の質や組織のパフォーマンスを大きく改善できる試練。
リーダーは集団の潜在能力を十分に生かしきるプロセスを生み出さなければならない。

③移行型試練
集団が現在の価値体系から新しい価値観へと移行することができれば、大きな成果を得る可能性がある試練。
リーダーは文化が変容するプロセスをうまく調整しながら指揮しなければならない。必要な範囲で人々の忠誠心やマインドセット、プライオリティを再構築することも必要だ。

④維持型試練
集団が潜在能力を最大限発揮したとしても、状況を改善することができない試練。投資資本の欠如や他権力への隷属、深刻な景気の落ち込みといった障害が外的要因にある状態だ。
リーダーがなすべきことは、脅威が過ぎ去るまで人々が蓄積してきた価値観を守り、必要なリソースを維持することだ。嵐を潜りぬける間、人々は戦略的に守備体制を整える必要がある。撤退は戦闘を経て獲得した領土の放棄にもつながるが、軍事力の消耗戦を抑えて次の戦いにつなげることができる。

⑤創造型試練
人々が日常の枠から抜け出して機会を十分に生かせば、長期にわたって新たな利益を得ることができる試練。
新しい試みをすることが大切だ。リーダーは人々の想像力をかきたて、集団が常識的なパラダイムを超えて意義ある発見にたどり着けるようにしなくてはならない。必要なものを生み出すエネルギーや注意力、好奇心を刺激するような特別なリーダーシップが必要とされる。

⑥非常事態型試練
既存の秩序や集団の生命そのものが脅かされるような試練。極めて深刻かつ、危険であり、一国を争う状況だ。
リーダーがなすべきことは、まず一触即発の状況を沈静化することだ。次に危機の再発につながる未解決の課題に人々を取り組ませることである。

①パートナーを使い、自分の盲点によって見逃している点を探索する。
②人々を導くよりもむしろ、改革を無理に推し進めている場合を探索する。
③派閥的忠誠心が適応作業の妨げになっている場合を探索する。
④地に足をつけ、歩き回り、人々の現実を探索する。
⑤引退する時期を探索する。