孫の二乗の兵法
「孫の二乗の兵法」は「孫子」と「ランチェスターの法則」から影響を受けた孫正義氏が創案した、マネジメントや経営戦略についての思考法である。「孫子」の中の言葉に、孫正義氏が独自に言葉を加えた25文字からなる文字盤により。孫氏が信とする経営指針を表している。
【理 念】 道、天、地、将、法
【ビジョン】頂、情、略、七、闘
【戦 略】 一、流、攻、守、群
【心構え】 智、信、仁、勇、厳
【戦 術】 風、林、火、山、海
上から重要度の高い順番に「理念」「ビジョン」「戦略」「将の心構え」「戦術」に並んでいる。
理念・志
「孫子」では戦いに勝つための条件とされている。
道:ソフトバンクにとっての道は「情報革命で人々を幸せに」
天:タイミング。ソフトバンクにとっての天は「情報ビッグバンの時代」
地:地の利。ソフトバンクにとっての地は「アジアが拠点」
将:大将、リーダー。志を共有できる将を持つことが必要。
法:システム、方法論、ルール、仕組み、ビジネスモデル。成功には仕組みが必要。
ビジョン
頂:ビジョン。10年後、20年後、30年後がどうなっているか鮮明にする。
情:情報。ビジョンが正しいものか、徹底的に情報収集することが必要である。
略:戦略。徹底して情報収集し戦略を立てる。選択肢を削ぎ落とし1個に絞り込む。
七:七割以上の勝算があって勝負する。7割以上勝てるという100%の確証を得る。
闘:闘う。七割以上勝算がある事業を絶対にやり抜く。理念・志のために闘う。
戦略
一:ナンバーワン戦略。圧倒的ナンバーワンにならないとポジションは危うい。
流:時代に流れに逆らわない。将来メインストリームになれるものを選ぶ。
攻:リーダーは攻撃力を持っていないと引っ張れない。
守:キャッシュフロー。ベンチャーが潰れるほとんどの原因は資金繰り。
群:同志的結合、戦略的シナジーグループを作る。シングルブランドは危うい。
心構え
智:考える力。
信:信義、信念、信用。これがなければ同志的結合はできない。
仁:仁愛。人々の幸せのために情報革命をしている。
勇:闘う勇気、腹をくくる。退却の勇気。退却する勇気がないと会社を滅ぼす。
厳:愛情のある厳しさ。
戦術
風:ヤフー設立からボーダフォン・ジャパンまで10年。素早く動く。
林:iPhoneの販売交渉のように極秘裏に進める。
火:革命的にやり抜く。
山:ソフトバンクの事業領域は情報産業。それ以外やらない。
海:戦いに勝って、相手を包み込む。