「見る目」を変えることで世界が変わる
私たちは見たものを経験に当てはめて、決めつけている。膨大な量の情報を無意識に受け止めている時を除いて、私たちは現実を、すでに知っていることで補うことで、細かい部分にフィルターをかけるか、より完全なものにしようとする。そうして情報の洪水から逃れている。
私たちは無意識のうちに相手のイメージを自分の期待に合うように作り上げてしまう。だから意識して「見る目」を変えるだけで、世界が変わる。人の心を透視するには、綿密に観察することが重要である。
心を透視する方法
メッセージには3つのレベルがある。
①内容のレベル(発せられた言葉の意味)
②声のレベル(声の大小、スピード、調子など)
③身体言語のレベル(表情、身振り、姿勢)
ある発言の内容そのものから伝わるのは、たったの7%である。残り93%は、身体(55%)と声(38%)によって伝えられる。つまり、思考は身体に影響を及ぼしている。身体を見れば、心を透視することができる。
①目の動き
視覚的イメージを思い浮かべている時は、目が上に動く。音や言葉が浮かんだ時は、目は真横に動く。感覚や感情に関する時は、左下に向く。
②瞳孔の開き
興味を惹かれる時は、瞳孔が開く。嫌な事を考えれば瞳孔が小さくなる。
③口の開き
一度に処理できない多くの情報が押し寄せた時、驚きや感心した時は口が開く。
④微笑み
心からの微笑みは作り笑いよりも持続時間が長い。作り笑いは不意に終わる。本当の微笑みの場合は、目も笑っており目尻の小さなしわでわかる。
⑤頭と首
首を傾けるのは、相手に自分をオープンにしているというメッセージ。傾げていた首を真っすぐに戻したら、困惑の表れである。
⑥肩と腕
誰かと話す際は、肩の向きを相手に平行にする。肩を前方に乗り出したら、距離を取ろうとしている。
⑦手
手を開いているなら友好的、閉じているなら懐疑的。
⑧足
姿勢は表情ほど気を使っていないため、頭から遠い部位ほど、表れるヒントが信頼できる。相手がこちらにきちんと意識を向けていると足のつま先はこちらを向いている。
ミラーリング
相手とそっくり同じ姿勢をとることで、相手が今思っていることを知ることができる。相手が姿勢を変えたら、すぐにさっきまで相手がとっていた姿勢を真似る。相手と同じ動作をすることで、相手の内面で何が起きているかを感じ取ることができる。