全産業で進むコモディティ化
不況に乗じて、「不安解消マーケティング」が流行っている。しかし、知識やスキル、資格を持った人は溢れかえっており、人材のコモディティ化の潮流から逃れられない。生き残るためには、他の人には代えられない唯一の存在、「スペシャリティ」な人間になれ。
止められない資本主義の流れ
サブプライムローンの破綻に端を発する世界的な不況。しかしながら、金融危機後も世界経済の構造は本質的に何も変わっていない。それどころか、これからがグローバル化による「本物の資本主義」の時代が到来するという現実を直視し、適応することが必要である。
資本主義の中でコモディティ化しない6タイプ
①トレーダー
②エキスパート
③マーケター
④イノベーター
⑤リーダー
⑥インベスター
資本主義で主体的に稼いでいるのは、この6タイプのスペシャリティである。しかしながら、①トレーダーと②エキスパートは、産業構造の変化や技術革新により今後は価値を失っていく。
ここで注意したいのは、残りの4タイプのいずれかを目指せというのではない。4つの顔を使い分ける存在を目指すべきである。
マーケターとは、「顧客の需要を満たす人」
マーケターとは新しくない要素の組み合わせで「差異」を創り出せる人のことである。コモディティ化が進む中で、「差異」=「顧客が共感できるストーリー」を生み出すことが重要である。
イノベーターとは、「新しい仕組みを作る人」
イノベーションのきっかけに出合うためには、自分が働いている業界について、ヒト・モノ・カネの流れを徹底的に研究することだ。落潮している業界にこそ、チャンスが眠っている。アイデアを徹底的にパクること、常識の間逆を考えることは、イノベーションを生み出すのに、有効な発想手段である。
リーダーは、「クレイジーな人」
ほとんどの人は凡人である。つまり、マネジメントには駄馬をうまく使うスキルを学ぶことが大切である。起業には、尋常でないパワーが必要である。クレイジーな人はコンプレックスを原動力として起業を、そうでない人はリーダーのサポート役になれ。
リーダーとは、「投資家の頭で考える人」
ハイリスクハイリターンな選択肢を多く選び、リスクを自分自身でコントロールせよ。投資は、長期的な視点で富を出し続けられるか、人が信頼できるかの2点で判断すること。未来を見て、苦境にある人にこそ投資は必要となるのである。
若者に向けて
人生ではリスクをとらないことこそが、大きなリスクとなる。自分の時間と労力、そして才能を何につぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズできるのかを真剣に考えよ。