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2011/09/24更新

食糧危機が日本を襲う! 角川SSC新書 (角川SSC新書 129)

179分

2P

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日本の食糧自給率は危険な水準

日本の食糧自給率(カロリーベース)は40%を維持するのがやっとである。2003年のデータでは、米国128%、フランス122%、ドイツ84%、イギリス70%と他の先進国の水準に比べて極めて低い。

日本の穀物生産量は、コメ800万トン強、小麦80万トン弱、その他イモ類を合わせて1000万トン程度である。これに対して、イギリスは3000万トン、ドイツは5500万トン、中国に至っては5億トン強の穀物を生産している。
日本が経済規模の割に穀物生産が少なくて済んでいるのは、トウモロコシや小麦を中心に年間約3000万トンの穀物を輸入しているからである。

世界の穀物生産量は22億トンほどだが、この内輸出に回されるのは2億5000万トンに過ぎない。主な輸入国は、日本、韓国、台湾、中国、メキシコなどで、日本の占める割合は高い。

食糧需給の逼迫

食糧の生産には限界がある。全世界の耕作可能な地域の面積は約30億ヘクタールとされるが、この内10億ヘクタールは既に使用されており、半分程度が穀物生産にあてられている。そして、世界の穀物収穫面積は、1980年代から減少傾向にある。

フィリピンの国際稲研究所は、地球が養える人口は83億人と推計している。国連人口統計によれば、世界の人口は2025年に80億人を超えるとしている。つまり、絶対的供給不足の時代が訪れるのである。

世界の食糧市場では穀物価格が高騰している。これは投機マネーによる一過性の上昇との見方もあるが、本質的には食糧需給構造の転換に伴う「均衡点価格の変化」である。つまり、中国やインドなどの新興国の経済発展や人口爆発により、資源・エネルギー同様に穀物も需給の逼迫傾向が強まっている可能性が高い。

世界では、自国の農地だけでは食糧需要をまかないきれない国が、海外の農地争奪戦「ランドラッシュ」を始めている。韓国は、スーダン、ロシアで農地を取得。サウジアラビア等の中東諸国は、ウクライナやカザフスタンの農地を買い、生産している。また、中国もアフリカや中南米の政府と手を握り、農地を買い漁っている。

日本はどうすべきか

食糧の需給が逼迫する状況において、日本は食糧の大増産に舵を切る必要がある。生産調整を廃止し、耕地、水、人材など、これまで遊ばせておいた農業資源をフル活用する体制を整えなければならない。
日本の農業は閉鎖状況にあるのは問題である。日本農業の関係者は危機感にかけるため、そのためにもTPPへの参加というショック療法をバネにすべきではないか。TPPへの参加が農業に与える影響は測り知れない。しかし、参加しなくてもこのままでは日本農業には明るい未来が見えてこない。