1929年の大恐慌と今回の大不況との共通点を明かし、その対策を論じる。両者の共通点は、「富の集中」と「中間層の購買力低下」であり、これが不況の原因であると説く。
現代、米国経済における格差社会とこれからの経済を考える内容になっている。
現在の大不況と1929年大恐慌の共通点は、「富が一部の富裕層に蓄積。一般大衆の購買力が奪われている」ことである。
1947〜1975年の米国は、大繁栄時代であった。この時期の政策は最高税率91%と累進課税による富の再分配が行われ、国民1人1人の所得が増えた。
しかし、グローバル化とオートメーション化による雇用減少・低賃金化、規制緩和による最高税率の引き下げ、金融機関の拡大により、国民の所得格差は開いていった。
富の集中こそが不況の原因であり、これを改善しないと富裕層と怒れる大衆との間に対立が生じる。
著者 ロバート・B・ライシュ
1946年生まれ。米国の元労働長官、経済学者。 カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院教授 クリントン政権下の1993年から1997年に第32代労働長官を務めた。2008年『ウォールストリート・ジャーナル』紙で「最も影響力のある経営思想家20人」の1人に選ばれている。
日経ビジネス 2011年 9/19号 [雑誌] |
週刊 ダイヤモンド 2011年 8/20号 [雑誌] |
日本経済新聞 慶応大学教授 池尾 和人 |
週刊 東洋経済 2011年 9/3号 [雑誌] |
週刊 ダイヤモンド 2011年 9/24号 [雑誌] 丸善丸の内本店「松丸本舗」売場長 宮野 源太郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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イントロダクション | p.3 | 6分 | |
第1章 エクルズの洞察 | p.12 | 7分 | |
第2章 二つの恐慌の類似性 | p.21 | 8分 | |
第3章 あるべき取引 | p.32 | 4分 | |
第4章 富の集中が不況を招く | p.37 | 6分 | |
第5章 為政者が金融経済を怖がる理由 | p.45 | 4分 | |
第6章 大繁栄時代―― 一九四七年~七五年 | p.50 | 8分 | |
第7章 歴史は繰り返す | p.60 | 9分 | |
第8章 消費し続けるアメリカ人 ――三つの対応メカニズム | p.72 | 4分 | |
第9章 対応メカニズムのない未来 | p.77 | 5分 | |
第10章 中国がアメリカを救わない理由 | p.83 | 5分 | |
第11章 もう普通には戻れない | p.90 | 2分 | |
第12章 二〇二〇年大統領選挙 | p.94 | 3分 | |
第13章 経済をめぐる政治――二〇一〇~二〇年 | p.98 | 3分 | |
第14章 「前より減ること」に満足できない理由 | p.102 | 5分 | |
第15章 損失の痛み | p.108 | 3分 | |
第16章 損失にのしかかる屈辱感 | p.112 | 8分 | |
第17章 富が集中するように仕組まれたゲーム | p.122 | 13分 | |
第18章 怒りの政治 | p.139 | 9分 | |
第19章 何をすべきか ――中間層のための新しいニューディール政策 | p.152 | 12分 | |
第20章 どうすればよいか | p.168 | 5分 |
ある基準をもって人間社会の構成員を階層化した際に、階層間格差が大きく、社会的地位の変化が困難、社会移…