リーダーシップとは
組織が成功するためには、リーダーシップが欠かせない。リーダーシップは組織にビジョンと、それを実現するための能力を与える。この実現というプロセス、リーダーとフォロワーの交流なしに、生き生きとした組織は生まれない。
マネジメントとリーダーシップは、どちらも重要だが根本的な違いがある。「マネージする」とは「何かを引き起こし、成し遂げ、義務や責任を引き受け、実行すること」である。対して「リードする」とは「人を感化し、方向や進路、行動、意見などを導くこと」である。
マネジャーは物事を正しく行い、リーダーは正しいことをする。
優れたリーダーの4つの戦略
優れたリーダーが共通して体現している戦略は以下の通りである。
①人を引きつけるビジョンを描く
優れたリーダーは常に結果に注目している。彼らのビジョンや意思は魅力的で、周囲の人間を引きつける。強い意思が献身的な努力と組み合わさった時、それは人を引き付ける磁石と化す。ビジョンは人に活力を与え、精神を高揚させ、目標を実現するための行動を起こさせる。
②あらゆる方法で「意味」を伝える
胸が高鳴るようなビジョンがあっても、コミュニケーションがなければ何も実現しない。成功するためには、周囲の人々に魅力的な青写真、相手の熱意や参加意欲をかき立てるようなイメージを伝える能力が必要である。
優れたリーダーは、物事の意味を管理し、それを効果的に伝える。行動と象徴を使って、物事の意味を浮き彫りにし、それを伝える。イメージや比喩、模型などを使って、新しいテーマに人々の関心を引き付ける。こうして組織が共有してきた知識を強化したり、異を唱えたりする。
③「ポジショニング」で信頼を勝ち取る
信頼がなければ製品は売れないし、組織も機能しない。信頼は組織が誠実さを維持するための接着剤である。行動を予測でき、立場が明確で、それを貫いている人は信頼される。信頼されるリーダーとは、自分の考えや立場を明確に伝えられる人である。リーダーは、自分の場所を確立すること(ポジショニング)で信頼を勝ち取る。
④自己を創造的に活かす
優れた経営者たちは約98%の時間を人々と過ごし、それとほぼ同じ割合の時間を人間関係の問題に費やしている。リーダーシップは本来、人間的な営みである。自己を創造的に活かすことで、リーダーの仕事は人間的な営みとなる。
自己を創造的に活かすためには、次の2点を行う。
・自分の強みを知り、弱みをカバーする
・失敗から学ぶ
リーダーシップでは、人々を「引き付ける」ことが重要である。有能なリーダーは、パワーを与える行為(権限委譲)で、組織を活性化させる。