高度経済成長時代には最適であった「サラリーマン」「マイホーム」という人生設計は、バブル崩壊以降に成り立たなくなった。
しかし、バブル崩壊以降も、高度経済成長時代の人生設計を続け、そのリスクから目を背けてきた日本人は、3.11によってリスクと向かい合わなければならなくなった。ポスト3.11の人生設計についての解説書。
戦後の日本人の人生設計は4つの神話の上に築かれていた。
①不動産は上がり続ける
②会社はつぶれない
③円は最も安全な資産だ
④国家が破産することなどあり得ない
これらの神話を前提にした人生設計は、高度経済成長の時代には適していた。しかし、一度リスクが顕在化すれば、個人の人生にとてつもない災厄をもたらす。
ゼロ年代以降、日本が急速に閉塞感を強めていった理由の一つは、多くの人がこの経済的なリスクに気づき始めたからである。
神話の崩壊は、97年の金融危機より始まっていたが、この不都合な真実にみんな目をそむけた。3.11によってはじめて、私たちはこれまで目をそむけていた人生の経済的なリスクに正面から向き合わざるを得なくなった。
著者 橘 玲
1959年生まれ。経済小説作家 日本経済新聞で連載を持っていた。海外投資を楽しむ会創設メンバーの一人。2002年『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』がベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補となる。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
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日経ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 05月号 [雑誌] 経営コンサルタント 藤井 孝一 |
週刊 東洋経済 2011年 10/1号 [雑誌] フレイムワークマネジメント 代表取締役 津田 倫男 |
Discover Japan 2020年6月号 ユーグレナ代表取締役 出雲 充 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 3分 | |
1 日本を襲った二羽の「ブラックスワン」 | p.18 | 11分 | |
2 不動産神話 持ち家は賃貸より得だ | p.35 | 17分 | |
3 会社神話 大きな会社に就職して定年まで勤める | p.61 | 17分 | |
4 円神話 日本人なら円資産を保有するのが安心だ | p.86 | 15分 | |
5 国家神話 定年後は年金で暮らせばいい | p.109 | 17分 | |
6 伽藍からバザールへ 人的資本のリスクを分散する | p.136 | 21分 | |
7 世界市場投資のすすめ 金融資本を分散する | p.167 | 17分 | |
番外編 なぜふつうのおばさんが億万長者になるのか? | p.192 | 8分 | |
8 大震災の後で人生を語るということ | p.204 | 12分 | |
おわりに | p.222 | 1分 |
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