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2011/12/10更新

米国製エリートは本当にすごいのか?

227分

5P

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なぜ日本はリーダーに恵まれないのか

日本はなぜリーダーに恵まれないのか。米国や英国は優秀なリーダーを生んでいるが、平均的な教育レベルは日本が上であり、人間としての智徳に差はない。両国の指導者のクオリティが違い理由は「エリート育成システム」にある。
日本には、エリートを選抜し、競争の中で鍛え抜くシステムがない。リーダーの出現を天に任せているため、継続的に良質なリーダーを生むことができない。

米国が長きにわたり、世界一の国であり続ける理由には「エリートの質の高さ」が指摘される。

米国の一流大学は本当に凄いのか?

米国の大学教育に関しての結論は「感嘆するところもあるが、そうでもないところもある。但し、日本が学ぶべきところは数多い」である。

・凄くない点
①数学力
米国の文系学生の数学力はあまり高くない。大学、大学院入学の数学試験は、日本の中学校レベルである。入学後も微分積分や行列の補講がある程度である。

②成績評価
「米国の大学は成績のつけ方は厳しく、下手をすると退学になる」というのは神話である。スタンフォード大学の学部生は、入学6年以内に95%が卒業している。ハーバード、イェール大学等のトップ校でも、約9割が4年以内に卒業する。大学も商売であり、生徒と揉めてまで厳しい成績をつけたくない。

③授業のクオリティ
サンデル教授のようなワクワクする授業は数えるほどである。知的興奮を覚える授業ばかりではなく、講義型の授業は退屈である。
また、授業について、米国人学生はしゃべりはうまいが、内容面で唸るような鋭い質問や発言に出くわすのは稀である。大半の学生は日本の優秀な学生と同じレベルである。

・凄い点
①キャンパスの広さ、施設などの資金面の豊かさ
米国の大学は主に資産運用によって、収入を得ており、その原資は多額の寄付金である。潤沢な資金を使って、世界中から一流の人材を呼び込んでいる。

②教育システム
米国の大学教育の最大の強みは、平均点以上の知的エリートを育てる点である。全学生の平均値は、日本より米国の一流大学の方が断然上である。
その理由は「米国の大学はインプットとアウトプットの量が多い」点にある。次から次に読書、レポート、プレゼンテーションの課題が降ってくるために、嫌でも知的筋力がつく。

知識の整理、発信能力の2つは、一定の訓練を受ければ誰もが一定レベルには達する。結局、人と知力で差をつける鍵となるのは、インプット量である。つまり、日米の学生の差を生んでいるのは、インプット量、読書量の差である。