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2011/11/02更新

友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学

259分

10P

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友達の数の限界

SNSの普及により「友達、何人できるかな」競争という現象が生まれた。SNSの中を見てみると、2つの事が目につく。

①ほとんどの人は平均的な数の友達しかいない。200人以上いる人はほんの一握り。
②友達が200人以上いる人は、相手のことをほとんど、あるいは全く知らない。

霊長類は、敵から身を守るために、大きな集団(社会)で生活する必要があり、そのため脳が大きく発達した。人間以外の霊長類では、集団サイズと脳の新皮質の大きさが比例することがわかった。最大級の新皮質を持つ人間は、サルや類人猿の例から推定すると、一人の人間が関係を結べるのは150人までとなる。

人間の自然な集団サイズを知るため、狩猟・採集で生活している未開の部族を例にすると、氏族や村といった集団の平均人数は153人であることがわかった。

ビジネス組織論では、組織の規模が150人ぐらいまでなら、一人一人の顔がきちんとわかるレベルで仕事が回る。それ以上になると、序列構造を導入しないと仕事の効率が落ちる。
軍隊の編成においても、一つの戦闘小隊は30〜40人で、中隊は130〜150人となる。

一人一人をきちんと認識できるのは、150人前後の集団までである。これは記憶容量の問題というよりも、関係の質と情報がからんでいると思われる。ここで言う集団のサイズとは、複雑な関係を維持できる上限という意味である。


ネットワークは「3の倍数」で増える

一人の人間が交遊関係を持てるのは150人前後だが、付き合い方のパターンには、親密度の同心円が描ける。中心に一番近い円に入るのは3〜5人。彼らは親友の中でもとびきりの存在。そのすぐ外側に約10人が入り、さらにその外には30人ほどの円が描ける。

交友関係の同心円は、人付き合いの頻度と距離感にそのまま対応している。中心に一番近い5人とは、最低でも週一回は連絡を取り合う仲で、一つ外側の円になると月一回、一番外側の150人は年一回やりとりするぐらいか。一定の親密さで付き合える人数には上限がある。だから一番中心の円に新しい人が入ってきたら、他の誰かが一つ外の円に押し出される。