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一般的な価格決定法

価格は企業の収益性に重要な役割を果たす。しかし、価格設定に責任を負うプライシング・マネジャーたちは、通常、価格戦略について体系的に考えていない。価格設定に関し、賢明なプレーヤーとみなせるのは、米国企業の約8%に過ぎないとの見方もある。

最も広く用いられている価格決定方法には以下の3つがあり、それぞれ問題点を抱える。

①コストプラス法
企業はまず目標売上数量を決め、目標数値に基づいて予想される平均コストを計算する。平均コストに利益を加算して価格を決定する。

問題点
顧客の価格目線と売り手の希望価格が一致しない場合がある。高すぎて売れなかったり、安すぎて収益機会を逃すことがある。また、実績が目標を下回った場合を考えると、価格設定が適切とは言えなくなる。


②競争に基づく価格設定
競合他社の価格を調べ、それから自社製品の価格をほぼ同じレベルにし、数%上か下に設定する。

問題点
価格設定者が受け身の立場になる。相手も同じ方法をとると業界全体の価格が需要と一致しなくなる。チキン・レースになる可能性も。


③需要に基づく価格設定
顧客が自社の製品やサービスに払っても良いと思う支払い意思額を判断する。

問題点
値切りに成功した顧客より高い金額を払った顧客から、必ず反発を受ける。値切りに成功した顧客ももう少し値切れたのではないかと不満を残す。


企業は、自社の事業の他のあらゆる面と同様、価格の面でも賢く競争する方法を学ぶ必要がある。


価格設定における3つの教訓

①顧客を起点にする
賢明な価格設定を行うためには、自社がどのような顧客を相手にしているかを第一に知る必要がある。そして、顧客が自社の商品・サービスの何に価値を見いだしているのか知ることである。そのために顧客の購買行動にきめ細かく関心を払うことが重要である。

②差別価格
同じ商品やサービスにいくら払っても良いと思うかは顧客によって異なる。そのため、単一の価格をつけることは、賢明な考えではない。一般に低、中、高の3つの価格帯を念頭に置くと、顧客ごとの価格感度に応じられるので良い。

③スマート・プライシング
企業は様々な価格設定法を使って、様々なやり方で価格をつけることができる。どのような価格設定を選ぶかで、収益性は変わるので、入念な調査をすることが大切である。

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