コストに利益を上乗せする従来型の価格設定は通用しない。一方で何でも無料にできる訳ではない。適切な価格設定、独創的な価格戦略とはいかなるものか。
「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ(あなたが払いたい額を払ってください)」「フリー」「自動値下げ」「購入価格指定」「サブスクリプション(定期購入)」「プレミアム」「成果報酬」など最新の価格戦略を、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのマーケティング学部長が説明している。

価格は企業の収益を決める重要な要因である。しかし、多くの企業では価格設定に関して、あまり関心が払われていない。従来型のコストに利益を上乗せする方式や市場に任せた価格設定は通用しなくなってきている。
価格設定で大切なことは、顧客を分析し、各顧客に応じた価格をつけることである。企業は様々な方法で自由に価格を設定できることを知る必要がある。

著者 Ｚ・ジョン・チャン

ペンシルベニア大学ウォートン・スクール・マーケティング学部教授 同校マーレル・J・アデス記念講座教授 主な研究分野は、競争的価格設定戦略、価格設定構造の設計、チャネル・マネジメントなど。共著者とともに2001年ジョン・D・C・リトル最優秀論文賞および2001年フランク・バス最優秀学位論文賞を受賞した。

ペンシルベニア大学ウォートン・スクール・マーケティング学部長 同校ジョセフ・J・アレスティ記念講座教授 学者になる前は、タタ・アドミニストラティブ・サービス社およびフィリップス・インディア社に勤務。主な研究分野は、競争的マーケティング戦略、価格設定、小売業、セールス・プロモーション、セールス・フォースの報酬、企業イメージ広告、戦略的提携など。