核商品を作れ
不況下で大切なことは、売上の確保ではなく、無駄をなくすことである。売上が増えなくても、経費を削れば利益は増える。
無駄をなくすには、メニュー数を絞るのが効果的である。それと同時に自分の店でしな出せないという強いメニューを作ることが大切である。サイゼリヤの場合は、299円の「ミラノ風ドリア」である。
メニューを絞ることで、食材ロスが減り、作業効率が上がる。無駄を省くことで利益が出れば、価格を下げ、来店客数を伸ばすこともできる。
求められる「おいしさ」は店によって違う
「おいしい」「まずい」は、料理の味付けや素材で単純に決まるものではない。お客様が料理をおいしいと感じて、また来てくれるか否かは、料理の品質と店の用途が合っているか否かで決まる。サイゼリヤは毎日でも食べられる日常食を提供する店だから、素材本来の味を生かし、余計な味付けは行わない。
飲食店は完全にオーバーストアの状態にある。選択肢が増えれば、消費者は用途別に飲食店を選ぶ。だから、特定の用途に特化した飲食店を目指すべきである。
物事をありのままに見る方法
人は何かを考える時、自分の都合の良い結論を導き出しやすい。一番人気のある商品は「おいしいから売れている」と考えるが、他の料理よりマシだから売れているのかもしれない。
正しい経営判断を行うためにも、あらゆる現象を観察し、数値や客観的なデータに置き換えて因果関係を考えることが大切である。サイゼリヤの場合には、顧客満足度を「客数」で検証している。客観的な数字をもとに仮説を立てて、実行し、検証しなければならない。
多店舗化のポイント
多店舗化を成功させるには、以下の4つが重要である。
①教育システム:店長や料理長を育てる仕組み
作業手順や体の動かし方、作業道具を統一し、誰もが同じ結果を出せるようにする。
②投資リターン:出店にかけた費用に対して得られる収益
ROI、ROAで20%以上を目指す。
③立地創造:他社が出店できないような場所に出店可能な立地を創り出すこと
魅力的な立地は変わっていく。誰も立地の価値に気付いていないところを見つけたり、自社業態を改良することで出店する。
④顧客にとっての便利さ
例えば、一人客には、料理提供のスピードの早さ、店に行きやすいことが便利さとなる。