イノベーションを創出する条件
①「創発人材」を活かす
②「創発リーダー」に組織マネジメントを委ねる
③最適な「創発組織風土」をつくる
創発人材だけでは、イノベーションの推進は困難で、創発リーダーの存在が必要である。
創発人材とは
創発人材とは、研究や開発部門で新製品や新事業を提案し、つくり出す役割を担う人材のことである。「創発」とは、本来はふらふらしている局所的な複数の細胞が、相互作用によって、複雑に組織化し、環境変化に適応する高度な組織、システムを生み出す現象・機能を意味する。
創発人材の特徴
①何にでも興味を持ち、訳のわからないことでも、まずやってみる。
②管理的な考え方や手法、ルーティン業務を好まない。
③主流でないところに生息していることが多い。
④人付き合いが下手。
⑤口べたで論理的な説明ができない。考え方に飛躍が多い。
⑥要領が悪く、昇格テストなどで成績が悪い。
⑦優れたところはあるが、総合的な人材評価が良くない。
これらの全ての特徴を持っている創発人材は少ないが、「管理的な考え方や手法、ルーティン業務を好まない」という点は、ほぼ共通している。
創発リーダーの資質
①危機感を持ち、将来のニーズを洞察し、ビジョンを熱く語ることができる
②組織を運営し牽引することができる
③カオスと秩序が両立し、自律した創発組織風土を作れる
④創発人材の重要性を理解して、活かせる
⑤厳しくも温かく人格的にも優れている
⑥困難を乗り越える突破力と企業家精神、プロジェクト推進力を持つ
創発人材を活かす方法
創発リーダーは、以下の事を心がけなければならない。
・創発人材の潜在能力を認識する
・メンバーにビジョンを語り続ける
・創発人材が意表を突くような発想を持っている時、早期にコミュニケーションする
・創発人材の発想や提案に関心を持っていることを態度や行為で示す
・創発人材の理解しがたい内容から、真意や本質を汲み取る