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2011/09/05更新

日本経済が何をやってもダメな本当の理由

  • 櫨 浩一
  • 発刊:2011年6月
  • 総ページ数:222P

191分

7P

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「生産=所得=支出」の考え方

日本国内で生産されたモノやサービスは、誰かが使っており、売却されて得られた利益は、誰かの所得になっている。だから「生産=所得=支出」という三面等価の式が成り立つ。

生産=所得を増やそうとするだけでは所得は増えない。消費=支出をすることで、始めて生産=所得が実現する。つまり、手にした所得を支出しなければ、次の所得は生まれない。

貿易に関しても、日本全体で輸出を増やし、貿易黒字を拡大しても、同じだけの輸入がなければ、やがて買い手(輸出先)の債務が増え、モノを輸入できなくなるので、発展しない。日本は対外純資産だけが増え、それが円高の原因となり、さらに輸出が困難になっていく。

つまり、経済発展には消費することが不可欠である。


日本経済が低迷している理由とは

日本経済が低迷している理由は「内需」が不足しているからである。内需が不足している理由は以下の通りである。

①生産優先という間違った考え
「日本は資源もなく、少子高齢化で市場が小さくなる。経済発展のためには生産性を高めて、企業の国際競争力を強化し、輸出を拡大しよう」という生産優先の考えが間違っている。

日本経済の成長が低下したのは、生産性上昇率が低下したことではない。需要不足しのため、生産能力が発揮できないためである。よって、設備投資を増やして生産性を高めようとしても解決しない。

②過剰な設備投資
企業が設備投資を増加させることは、内需を拡大すると同時に生産性を高める一石二鳥の解決策のように見える。しかし、設備を増やしても一人の人間が管理できる機械は限られるため、生産効率は小さくなっていく。また、設備が増加しすぎることで、それを維持するコストが年々増加していく。
規模拡大にとらわれて、設備投資を優先させる考え方は、日本企業の投資効率を低下させ、企業の収益力を低下させた。その結果、企業はコスト削減をはかり、国民の給与所得は増えず、消費が増えないのである。

過大な投資に辻褄を合わせるには、日本経済がかなりの速度で成長し続けなければならないが、すでに先進工業国になった高付加価値な需要を生み出すことが難しい。

③供給者と消費者とのミスマッチ
医療、介護、福祉、保育といった分野には需要があるにも関わらず、これらの分野は社会保障だけで何とかしようという発想があり、需要が満たされていない一方、供給側は自分達の都合でモノを売っている。


日本経済を復活させるにはどうすれば良いか

①企業は無駄な投資を抑制し、収益性の高い事業に選択と集中を行う。
②医療・介護等の需要のある分野を拡大させ、内需主導にする。