ドラッカーの定義するマネジメントの役割
①自らの組織に特有の使命を果たす。
②仕事を通じて働く人たちを生かす。
③自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。
マネジメントと言えば、内部(会社の組織管理など)に目を向けがちであるが、まず外部(顧客や社会)に目を向けて、上記の役割を果たすことが大切である。ドラッカーを読む上では「外部」という視点が重要で、顧客や社会に対し、まず目を向けなければならないと説く。
そして、「特有の使命を果たす」。つまり「その企業にしかできない商品やサービスを提供することを、マネジメントの重要な役割の一つと言っている。
マネジメントの3つの役割を果たすのに大事なこと
役割を果たすには「事業を定義すること」が大切であり、次の3つを定義している。
①自らの目的・使命:会社のビジョンや理念を策定し、社員一人一人に浸透させる。
②環境としての市場:競合や技術革新などを分析する。
③強みと弱み:自社にしか提供できない商品やサービスは何かを考える。
ドラッカーは「顧客に求められる事業の本質は何か」を考えることが、トップマネジメントの責任だとし、3つのことを定義づけてから事業を行うべきだとしている。
そして、事業の定義は目標に具体化しなければならない言っている。その目標設定において、重視するのが、マーケティングとイノベーションである。
マーケティング:我々が何を売りたいかでなく、顧客は何を買いたいか。
イノベーション:顧客が将来的に求めるであろうもの。
マーケティングは現在を起点に考えていくが、イノベーションは、現在を踏まえながら、来るべき未来を視野に入れて、会社がどうあるべきかを考えることである。
顧客や社会のニーズにどう応えるかという目標を立ててから、売上などの具体的な数字に落とし込むことが、正しい目標設定である。
目標は実行すること
「目標は、実行に移さなければ目標でない。夢に過ぎない」とドラッカーは言っている。目標を夢のまま終わらせては経営ではない。経営は実践である。