フェイスブック1人勝ちの理由
①リアル
フェイスブックのアカウントは「実名」+「顔写真」=「身分証明書」であり、現実の生活や人間関係を持ち込むことができる。ネットは現実逃避の虚構の場ではなくなり、フェイスブックというツールによってリアル生活を充実させることが出来るようになった。実名であることは安心感を与えるだけでなく、フェイスブックのビジネス、マネタイズの鍵となった。
②クール
トップページのデザイン、ロゴ、コーポレートカラーが洗練されており、広告が少ないスタイルがクール。また、ハーバード生まれで、名門大学から広がったアッパーなブランドイメージを持っている。
デザインや使い勝手も含めたクールさはもとより、存在そのものがクールであることにこだわる26歳のマーク・ザッカーバーグの感性が、若者に共感を呼び、選ばれている大きな要因になっている。
③ムーブファスト
求められたことをすぐやるのではなく、次に求められるはずのことを先にやる速さを目指している。ユーザーの使い勝手を先読みし、常に進化し続けなければ自分達は終わるということを心底から自覚している。
グーグルへの脅威
フェイスブックの利用者が増えれば増えるほど、グーグル検索の及ばない世界が広がる。
さらに、フェイスブックは「Gメールキラー」と呼ばれている、新しいメッセージサービスを発表した。これが成功すると、フェイスブックのメッセージと外部メールや携帯メールの互換性が実現できるという。グーグルが持つソーシャルグラフの中で、実名を登録して取得するサービスの筆頭がGメールであり、グーグルのソーシャルグラフは決定的なダメージを受けかねない。
購買プロセスの変化
少し前までは、購買はAIDMA(注意→関心→欲求→記憶→行動)の法則に則るとされた。しかし、インターネットの普及により、AISAS(注意→関心→検索→行動→共有)というセオリーが登場した。
この変化で、検索や共有といった、売り手にはコントロールの難しいプロセスが加わった。更に、プロセスのスタートが注意から、今後は共感へと移行し、PIPS(共感→興味→参加→共有)へとなるのだ。ソーシャル化した社会では、レコメンドがかつての注意の役割を果たす。そこで重要となるのが、フェイスブックの「いいね!」である。
フェイスブックの陥穽
実名主義のフェイスブックが発端となった殺人事件、離婚、詐欺、いじめなどが出てきており、自己防衛が強く求められる時代となっている。
更なるソーシャル化社会へ
インターネットで人が人と密接に、複合的につながり、あらゆるモノに、人のオススメや、共感や、好き嫌いという評価や意見が付き、アクションには、物語が必要な社会、それがソーシャル化社会である。ソーシャル化は止まらない。