携帯電話は絶滅する
スマートフォンは、携帯電話とは本質的に異なるものである。スマートフォンは一言で言えば「通話することができるパソコン」である。どんなソフトウェアも使え、ユーザーに対し、自由を保証しているのがパソコンである。一方、携帯電話は、ユーザーの自由をある程度規制することで、ユーザー全体の満足を高めようとする。
サイフ代わりになり、身分証明になり、コンサートチケットとしても使え、テレビも見る事ができる携帯電話。そんな日本の携帯電話も絶滅し、その遺伝子をスマートフォンの中に残すのみになっていく。なぜなら、スマートフォンは、ユーザーが「自由」を求めた結果として、台頭してきたものだからである。
アンドロイドが多数派になる
iPhoneは大成功を収めたが、安泰ではない。アンドロイド搭載機はパッと見るだけでは、iPhoneと同じに見える。しかし、両者のコンセプトは異なっている。iPhoneはパソコンで使っているアプリケーション機能の一部やデータを切り出して活用するコンパニオンデバイスである。一方のアンドロイドはもっと独立性が高く、パソコンと同期して利用することを前提としておらず、単独で動作することを志向している。アンドロイドは自由になる範囲が広いので、統一感を引き出すことが難しく、混沌とした状況はしばらく続くが、多数派になるだろう。
誰が勝ち残るのか
・グーグル
アンドロイドはグーグルが提供するクラウド型サービスと密に統合されている。しかし、グーグルは企業向けのクラウド型サービスの黒字化に今のところ成功していない。この分野はアマゾンが大きな成功を収めている上、マイクロソフトも力を付けてきた。グーグルの立場で何ができるかは、具体的なアイデアはないのが実情だろう。
・フィスブック
今後、フェイスブックが実際の商取引を自らのシステムの中で実現するよう拡張を勧めれば、その内グーグルよりも高い価値を持つようになるだろう。
フェイスブックは既に、サイトの滞在時間においてグーグルを超える存在になっている。ソーシャルグラフの活用が当たり前の世代が増えれば、グーグルが持つサービスの中で滞在時間の長いメールサービスも存在価値を失っていく。
・アップル
アップル型の特定機器だけで閉じたデジタル配信システムは、クラウド型のネットワークサービスが発展している中では、既に古いビジネスモデルと考えられ始めている。
・マイクロソフト
ウィンドウズフォン7は、アンドロイドの半周遅れぐらいと言わざるを得ない。誰もマイクロソフトがスマートフォン分野で良い製品やサポートするサービスを提供してくれると思っていない。そこが問題である。