法則1:大好きなことをする(キャリア)
情熱がなければ画期的なアイデアなど生まれない。製品やブランド、キャリアを成功させたいと思うなら、情熱の役割を過小評価してはならない。イノベーションは、取り憑かれたと思う程、情熱を傾ける人がいなければ生まれない。
法則2:宇宙に衝撃を与える(ビジョン)
アップルのイノベーションは、意欲的なビジョンと大量のインスピレーションから始まる。新しい着想を商品化する時、情熱に満ちた創造的な伝道者のチームがいて、その夢を形にする必要がある。
魅力的なビジョンには、「具体的」「簡潔」「徹底的」という共通する3つの特徴がある。「普通の人々にコンピュータを届ける」。イノベーション文化の背景には、必ずビジョンが存在する。
法則3:頭に活を入れる(考え方)
イノベーターは、関係がないように見える様々な分野の疑問や課題、考えを上手につなぎ合わせる力を持っている。経験や知識が豊富になるほど、脳の関連付ける能力が高くなる。創造力とは、いろいろなものをつなぐ力である。
イノベーターには「つなぐ力」以外に以下のスキルも備えている。
・疑問力:現状に疑問を持つ。
・実験力:積極的に実験を行う。
・ネットワーク力:自分の知識を広げてくれる人と交わる。
・観察力:顧客となりそうな人を中心に人間を観察し、そこから大きな発見を得る。
法則4:製品を売るな。夢を売れ。(顧客)
人は目の前に突きつけられるまで自分がほしいものがわからない。まず、自分が欲しいものは何なのかを把握する。そして、同じものを多くの人も欲しがるかどうか、きちんと考える。
法則5:1000ものことにノーと言う(デザイン)
アップルのイノベーションの秘密は、毎日、たくさんの優れたアイデアにノーと言うことである。素晴らしいアイデアを捨てることで突き詰めるものの数を少なく保ち、選んだものに大きなエネルギーを注ぐ。
法則6:めちゃくちゃすごい体験をつくる(体験)
明快で魅力的なビジョンがなければ、イノベーションは生まれない。アップルのビジョンは「暮らしを豊かにする」である。
アップルストアでは、どの製品もインターネットにつながっており、iPadで本を読み、iPodタッチでゲームをするなど好きなだけ使うことができる。アップルは、ビジョンに基づき、従来の小売店の認識を変えた。
法則7:メッセージの名人になる(ストーリー)
「iPad 革命的で魔法のようなデバイス。しかも、信じられない価格で」
デザインと顧客サービスが優れているだけでは、それなりにしかならない。多くの人が好意的に取り上げてくれないと、イノベーションは生まれない。好意的な口コミが広がるためには、感動を効果的に伝えたいと思う伝道者が必要である。