TPP反対の立場をとる本。TPPへの参加は、日本市場をアメリカに差し出すだけで、メリットがないと解説している。著者は経済産業省のキャリアで、現在は京都大学大学院工学研究科准教授。
なお、上武大学教授の池田信夫氏はブログにて、「本書は駄本である」と評している。
TPPへの参加など論外である。理由は以下の通りである。
①TPPに日本が参加しても、日本の実質的な輸出先はアメリカしかない。
中国も韓国も参加しておらず、アジアの成長を取り込むなどは不可能である。
日本の平均関税率はアメリカよりも低く、日本は既に開国していると言える。
②デフレ下での貿易自由化は、さらなる賃金低下や失業の増大を招く。
日本は内需主導による成長を目指すべきであり、輸出拡大の推進は好ましくない。
③リーマン・ショック後のアメリカは、雇用を増やすため輸出倍増を目指している。
輸出先のターゲットは日本であり、アジア太平洋の新しい貿易の枠組みを構築するつもりなどない。
著者 中野 剛志
1971年生まれ。京都大学大学院工学研究科 准教授 経済産業省産業構造課課長補佐を経て現職。専門は経済ナショナリズム。イギリス民族学会Nations and Nationalism Prize受賞
週刊 ダイヤモンド 2011年 12/24号 [雑誌] |
日経ビジネス |
週刊 ダイヤモンド 2011年 6/4号 [雑誌] ブックファースト 仕入企画担当 平井 直子 |
池田信夫blog 池田 信夫 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 3分 | |
第1章 TPPの謎を解く | p.15 | 22分 | |
第2章 世界の構造変化を読む | p.57 | 27分 | |
第3章 貿易の意味を問い直す | p.107 | 19分 | |
第4章 輸出主導の成長を疑う | p.143 | 14分 | |
第5章 グローバル化した世界で戦略的に考える | p.169 | 19分 | |
第6章 真の開国を願う | p.205 | 20分 | |
おわりに | p.248 | 4分 |
食料自給率100%を目ざさない国に未来はない (集英社新書) [Amazonへ] |
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書) [Amazonへ] |
学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書) [Amazonへ] |
[新訳]大転換 [Amazonへ] |