マイクロソフトで学んだこと
・マイクロソフトの経営は、まずスピードが早い。
・本社の幹部レベルでもビジネスの詳細を理解している。
上の人間であっても、部下に任せずに細かい事まで理解が必要となる。
・スティーブ・バルマーも富豪であるが、まったくそんな素振りを見せない。
ソフトウェアの可能性を信じ、製品を愛し、マイクロソフトが好きで猛烈に働く。
・スティーブ・バルマーは、過去に一緒に仕事をしたことのある社員の顔と名前を覚えている。会った瞬間に名前を呼んで、声をかける。
・スティーブ・バルマーは、常にペンを持ち、自分でメモを取る。
・独善に陥らないように、必ず周りのコンセンサスを取ろうとする。
・高いビジョンを掲げ、面白さがあるからこそ社員が頑張れる。
・数字に対して厳しく、常にギリギリ背伸びして達成できる基準を掲げる。
・1万人を超える社員を世界から集め、総会を行いモチベーションを高めている。
・売上や利益、顧客満足、社員の満足度など30項目に及ぶ「スコアカード」で毎週のように達成度を評価される。評価は世界中に公表され、ランキングされる。
・スコアカード、成績表などの評価はすべて数字で定量化され、科学的に評価される。
・常に様々なサーベイが行われ、チェック&バランスが文化となっている。
・課題や問題に真正面から向き合って、自分を改善していくという姿勢が強い。
・半年ごとに米国本社と現地法人との間で、1国につき丸1日がかりの会議がある。
現地法人の幹部はプレゼンと細かい質疑に対応する必要があり、プレッシャーを受ける。
・オープンさ、フラットさは一般社員のレベルにまできちんと落とし込まれている。
・労働密度の濃いハードワークを可能にしている環境を作り上げている。
日本法人の経営改革
かつて、マイクロソフトという会社、またその社員と付き合うと傲慢さを感じることがあった。マイクロソフトの社員は、製品の話ばかりをまくしたて、こちらの状態や経営課題を理解しようとする姿勢に欠ける、という声があった。
著者が法人部門を率いるにあたって、最初に危機意識を持って取り組んだことは、顔が見える組織になるということであった。どんなに製品や技術が優れていても、人対人の関係がしっかりしていなければ、日本では法人事業を拡大することは難しい。
そこで、以下の施策を行った。
・グローバルな視点だけでなく、日本的にやってみることも大切にした。
・直属の部下とは月に1度、1対1のミーティングを持つことにした。
・職場をよく見て回り、職場の実情をいつも確認した。
・各組織長とキーマン数人を集め、テーマを設定し議論した。
・顧客のトップ訪問を率先して行った。
・品質問題に対処する専門部署を設置した。