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2011/08/28更新

ハイパーインフレの悪夢

358分

12P

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ハイパーインフレの背景

ドイツは第一次世界大戦後で敗北したことにより、多額の賠償金を負わされた。敗戦で国力を失ったドイツは莫大な賠償金を支払うことができない状況にあった。結果として、ドイツは、国債を発行してライヒスバンク(ドイツ帝国銀行)に買い取らせること(通貨発行)で財政を賄おうとした。

市場に通貨マルクを増やすことで、インフレ状態になった。


インフレの加速

通貨の大量発行がインフレの原因になっているとは、当時の人々に認識がなかった。食べ物や衣服の値段が上がっているのであって、通貨の価値が下がっているとは気付かなかった、この事が、延々と通貨を発行し続けることにつながった。

やがて、インフレの激化により通貨が不足し、それを補うために通貨を発行するという悪循環に陥った。紙幣の乱発がさらなるインフレをよび、紙幣発行を制限するのは、印刷機の能力だけとなった。


通貨の価値も下落

マルクの通貨価値が下落した原因は、国債購入のため紙幣が乱発されたことである。そして市中からそれに見合った額の紙幣を税金という形で回収しなかったので、見かけの収入は増加し続ける一方、実際の国の富みは戦争で減り続けた。


インフレによる影響と人々がとった行動

・「一杯5000マルクのコーヒーが、飲み終わる頃には8000マルクになる」
 物の値段が日々高騰し、人々は物を買い占め始めた。
・人々は外貨の両替や投機に走った。
・信頼できる決済手段は外貨だけになった。人々は物々交換を行うしかなかった。
・農民は食料を売らずに抱え込んだ。そのため、食料不足に陥った。
・賃上げが物価上昇についていかず、暴動やストライキなどが起こった。
・外国人が品物を買い漁った。
・ごく少数の上流階級の資本主義者が河瀬相場の変動を利用して儲けた。
・輸出企業は潤ったが、海外に資産を置き、国内に税金を還元せず国の財政は悪化。


インフレの結末

最終的には新しい通貨を発行し、人々がそれを信用することで通貨は安定し、インフレは終息していった。貨幣は人々が信用しなければ価値がなくなる。
インフレは、年金受給者等の不労所得者や貯蓄を持っていた中産階級などの貧困化を招いた。儲けたのは一部の資本家だけであった。