「人はどうして、投資で儲かると自分の実力だと思い込み、損をすると運が悪かったと思うのか」という問いに答える本。
著者は、トレーダーとしての20年以上にわたる経験を持ち、行動経済学の観点から、人間の思考と感情との関係をなどわかりやすく教えてくれる。
投資家が運と実力を勘違いするのは、不確実性のある状況では、脳の働きにバイアスなどが生じ、合理的な判断ができなくなるためである。
過去のデータや経験則を使って将来予測する場合には、極端な値を除いたり、分布が偏っていることを考慮しない。それによって、トレーダーは彼らにとって思わぬ事象で大損をする。物事は思っているよりも偶然に支配されていることを知らなければならない。
心と頭は一致しないため、トレーディングする時には非合理的は判断をしないように、本気で取り組む必要がある。そして、あらかじめ損の限度を決めておき、その判断が正しいのかを見直すことが大切である。
1960年生まれ。随筆家、認識論者 ニューヨークのウォール街でデリバティブトレーダーとして長年働き、その後認識論の研究者となった。主に、理解していない世界でどのように暮らし行動すべきか、偶然性と未知のことにどのように真剣に取り組むか、などを研究しており、予期しない稀な現象に関する黒鳥理論などを提唱している。
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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各章の要約 | p.1 | 3分 | |
プロローグ:雲に浮かんだモスク | p.5 | 11分 | |
第1章 そんなに金持ちなら頭が悪いのはどうしてだ? | p.18 | 18分 | |
第2章 奇妙な会計方法 | p.39 | 21分 | |
第3章 歴史を数学的に考える | p.64 | 27分 | |
第4章 たまたま、ナンセンス、理系のインテリ | p.95 | 9分 | |
第5章 不適者生存の法則:進化は偶然にだまされるか? | p.105 | 19分 | |
第6章 歪みと非対称性 | p.127 | 19分 | |
第7章 帰納の問題 | p.149 | 17分 | |
第8章 あるいはとなりの億万長者でいっぱいの世界 | p.174 | 10分 | |
第9章 卵を焼くより売り買いするほうが簡単 | p.186 | 23分 | |
第10章 敗者総取りの法則:日常の非線形性 | p.213 | 9分 | |
第11章 偶然と脳:確率をわかるのに不自由 | p.224 | 37分 | |
第12章 ギャンブラーのゲンかつぎと箱の中のハト | p.274 | 8分 | |
第13章 カルネアデス、ローマへきたる:確率論と懐疑主義 | p.283 | 11分 | |
第14章 バッカスがアントニウスを見捨てる | p.296 | 6分 | |
エピローグ:ソロンの言うとおり | p.303 | 2分 | |
あとがき:シャワーを浴びながら振り返る | p.305 | 10分 |