現代の中心問題「三つの喪失」
現在の日本には閉塞感が漂っている。人々は生きがいや、つながりを失っている。企業は働く人の活力に疑念を抱き、働く人は明日の暮らしに不安を募らせている。
・生きがいの喪失
・つながりの喪失
・企業活力と暮らしの土台の喪失
「三つの喪失」を克服するには
資本主義社会において、人々は利潤だけを求める「産業の論理」によって、生きがいや、つながりを失っている。「三つの喪失」を克服するためには、生きがいやつながりを大切にする「人間の論理」と「産業の論理」をつなぐ必要がある。
人は誰しも「7つの欲求」を持っている。「生活充実感」「変化」「未来性」「反響」「自由」「自己実現」「意味と価値」への欲求である。生きがいを得るには、7つの欲求を満たせば良く、それを充足するには、人間の時間軸(寿命も入るような長い時間軸)が必要である。
つながりは信頼と切ってもきれない関係にある。信頼を得るにはやはり、人間の時間軸が前提となる。また、つながりや信頼には、承認が必要である。相手からの承認がなければ、信頼やつながりは成立しない。
承認には「成果の承認」と「人格の承認」の2つがある。「成果の承認」は「人格の承認」によって支援され補完されない限り実現しない。つまり、「成果の承認」があっても、「人格の承認」がなければ、真の満足は得られない。
しかし、産業の論理である成果主義には、「人格の承認」が欠如している。「成果の承認」と「人格の承認」この2つの承認を取り戻せれば、人は信頼やつながりを取り戻せる。そのために、「人間の時間軸」という名の「地軸」を立てなければならない。
素朴な疑問
・「良き企業」とはどういう企業か。
・「良き企業人」とはどういう人か。
「良き企業」は「信頼の窓」、「生きがい成果主義」「姿勢としての終身雇用」によって作られる。前提には「地軸」がなければならない。働く人が「人としての扱い
」を受け、企業が「ヒトとしての性格」を持つことが大切である。
「良き企業人」とは、「良き企業」を通じて「良き社会」を作る人である。「仕事」を捉える場合には「仕事そのもの」と「仕事を通じて」の2通りがある。
仕事を通して、何かを得る、仕事を通して何かを感じる。仕事は穴であり、穴を通して、世の中が見える。仕事を穴として意識すれば、「仕事そのもの」にとらわれず、その先の人間の論理(隣人愛)を実践できる。それが自分の成長につながる。