プロヴォカティブ・シンキングとは
最初に「できる」と発想し、それを可能にする方法を探る思考法である。
典型的な4つの思考パターン
人はおおよそ下記の4つのタイプに分かれる。その内「面白がる君」がプロヴォカティブ・シンキングで考えるタイプである。
①思いつき君
良い点:アイデアが具体的で議論がし易い。
悪い点:アイデアは豊富だが、ヒット確率は保証されない。
②堅実君
良い点:論理が誰にでもわかりやすい。
悪い点:堅実に考えるので、アイデアそのものが平凡になる。
③ヒトマネ君
良い点:必ずどこかにサンプルがあり、わかりやすい。真似も場合よっては良い。
悪い点:陳腐な物真似に終わるリスクが低くない。
④面白がる君
良い点:一見、無理なようでも悲観しない。周りも高揚感を持って仕事できる。
面白がる君が思いつき君と違うのは、単品のアイデアに飛び込むのではなく、どうやって検討していくのか、どうやって答えに結び付くのかという枠組みをしっかり作って進めていく一方で、個別のアイデアは自由に広げてくことである。
プロヴォカティブ・シンキングの特徴
・「可能性を否定しない」「あらゆる情報に関心を持ち、面白がる」というマインドセットを持つ。
・ひらめきによらず、論理的な手順を踏んで思考する。
・境界条件を拡大、無限化する。(常識や定石、様々な制約にとらわれず考える)
・ハイレベルな目標を掲げる。
・多様なアイデアの組み合わせを考える。一から複数の可能性を見つける。
・人と違い情報の見方、捉え方をする。
・情報のネガティブな部分に注目し、疑問を持つ。
・情報のマイノリティの部分に注目する。
・幅広い情報に興味を持つ。
プロヴォカティブ・シンキングの事例
・電子マネーWAON
Suicaの成功に見るように、電子マネーは電車利用やコンビニといった都会向けと考えられた。しかし、WAONは、郊外に住んでいる家族連れやお年寄りにも使い方があるはずだと考えた。
・しまむら
しまむらは当初、40、50代の女性ターゲットからスタートしている。その後、10、20代の顧客を取り込み始めた。ファッションの世界ではありえない発想である。
プロヴォカティブ・シンキングを鍛える方法
①「面白がる」気持ちを養う
②「N=1」(マイノリティ)情報にはまってみる
③主語(立場)を変えてしゃべってみる
④多様な情報を「因数分解」して楽しむ
⑤異分野のフレームワークを借用する