行動経済学において、ノーベル経済学賞を受賞した著者が、自らの研究を初めて語っている。ノーベル賞記念講演及び、自伝、論文2作によって構成され、予備知識なしでもわかる、行動経済学の基本が書かれている。
人間は不確実な状況において、直感をもとにした推論メカニズムを働かせる。しかし、直感には、バイアスやエラーを起こす傾向がある。その原因は、直感のもとになっている知覚の特徴に由来する。
本書では知覚の特徴と、バイアスが起こる事例が紹介されており、その中でも経済学におけるリスクを伴う決定がどのように行われるかという「プロスペクト理論」について、簡単にふれられている。
著者 ダニエル カーネマン
1934年生まれ。経済学と認知科学を統合した行動ファイナンス理論及びプロスペクト理論で有名な心理学者、行動経済学者。プリストン大学名誉教授。 2002年ノーベル経済学賞受賞。 イスラエル軍での兵役を務めたのち、米国へ留学。カリフォルニア大学バークレー校で博士号(心理学)取得。その後、人間が不確実な状況下で下す判断・意思決定に関する研究を行い、その研究が行動経済学の誕生とノーベル賞受賞につながる。
GLOBIS.JP グロービス経営大学院教員 川上 慎市郎 |
日本経済新聞 |
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週刊 ダイヤモンド 2011年 7/9号 [雑誌] 丸善書店 特販グループ長 本橋 一夫 |
デジタルマーケターが読むべき100冊+α ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO 石黒 不二代 |
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 06月号 [雑誌] 土井 英司 |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 07月号 [雑誌] 明治大学情報コミュニケーション学部教授 友野 典男 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 ノーベル賞記念講演 限定合理性の地図 | p.21 | 21分 | |
第2章 自伝 | p.63 | 43分 | |
第3章 効用最大化と経験効用 | p.147 | 14分 | |
第4章 主観的な満足の測定に関する進展 | p.175 | 27分 |
人は必ずしも自分の好みが分かってはいないし、選択の結果としての未来の経験を予想するに当たって、系統的なエラーを犯すこともしょっちゅうで、その結果、経験効用を最大化するのに失敗してしまう。
2011-12-26
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