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2011/08/18更新

経済成長は不可能なのか - 少子化と財政難を克服する条件 (中公新書)

211分

6P

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日本が抱える四重苦とは

①デフレ不況問題
②財政難問題
③国の債務残高問題
④少子化問題

これら1つを解決しようとすると他が悪化するという矛盾対立が問題を困難にしている。財政難を解消しようとすると、税収が必要だがデフレ不況で税収は増えない。そのため、増税しようとすると債務残高が増える。少子化対策には、やはり財源が必要となる。


四重苦を解決する方法

日本経済を成長させるには、民間企業が投資をしなければならない。しかし、民間企業は、現在の少子化が進む日本において、投資をしても期待収益を得られないとして、投資をしないという状況になっている。そのため、中長期的な経済成長には政府の投資拡大が必要である。

四重苦の唯一の突破口は、一度「国債残高問題」を棚上げして、国債を発行しデフレを脱却する事である。国債の発行は2、3年に限定し、デフレから脱却した後、増税と成長によって税収の増加を図る。政府の直接的な財政支出は、経済に需要を生み出す。

国の債務残高は問題ない

政府と地方を合わせた債務残高1000兆円をどのようにして返済するのかという議論があるが、日本の債務の内訳は円建ての内国債務であり、国債の約半分は政府や日銀、政府系金融機関が保有している。いざとなれば、日銀が政府にいくらでも融資することができる。ギリシャやポルトガルのように債務が外貨建ての対外債務ではないため、デフォルトのリスクは低い。

国債の増発は、実質的に「日銀引受」を基本として、通貨供給量を増やしてデフレを解消する必要がある。日銀が国債を引き受けるのは、インフレを誘発するとの意見があるが、ECB(欧州中央銀行)やFRB(米連邦準備理事会)も国の国債を購入しており一般的な政策手段である。

現在の国債金利は低いため、金利に注意している限り、国債引受は問題ない。

「失われた二〇年」の原因は円高である

失われた二〇年の大きな要因は円高である。円高によって、輸出企業は国際競争力を維持するため、海外への生産移転を行い、人件費を削減し、国内産業は衰退した。特に製造業においては、地方の生産拠点が海外に移転することで、地方衰退の原因になった。

円高を抑制するには、通貨の供給量を増やすことである。そのためにも日銀は国債を引き受ければよい。