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2011/08/18更新

ベッカー教授、ポズナー判事の常識破りの経済学

189分

5P

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米国は日本のようになるか

・ポズナー判事
日本はバブル崩壊後、積極的な景気対策によって、国債残高を急増させた。さらに今回の経済危機でも大きな打撃を受け、さらなる金融・財政政策によって、国債残高はGDP比で2.27倍になると予測されている。その結果、日本国債の格付けは引き下げられ、デフォルトに備えるための保険料率は1%近くにまでなっている。

米国も似たような様相を強めつつある。公的債務は7.5兆ドルに達し、内半分近くは外国政府と外国人投資家によって保有されている。GDPに対する債務は50%以上であり、将来的にずっと、年1兆ドルのペースで増えていく。
日本と同様に米国も高齢化社会を迎えており、社会保障などの給付コストが上昇している。しかし、米国政府には歳入増加や歳出カットのための現実的な計画があるように思えない。米国経済が国債さの累積額より高いペースで成長すれば問題ないが、政府の焦点は経済成長ではなく、所得再配分にことにあるように見える。

・ベッカー教授
米国が政府債務の負担を軽減するには、増税かインフレによる緩和しかない。いずれ米国のインフレ率は大幅に高まると予想している。オバマ政権は不況が終われば増税を行う計画であるとしているが、間違いである。公的債務の負担を減らす最善の方法はインフレでも増税でもなく、米国経済が急速に成長することである。そのため法人税は下げるべきである。生産性が高まり経済成長率が上がれば、増大する政府の支出を軽くできる。

欧州の経済危機

・ポズナー判事
ギリシアは巨大な公的セクターの資金調達のため、ヨーロッパの銀行から巨額の借入を行った。同国では脱税が一般化しており、税収だけでは政府支出をカバーすることは、これまでほとんどできなかった。

ギリシアの公的債務は4000億ドルとGDPより大きくなっており、財政赤字はGDPの13%に達しており、債務残高は急速に増加している。ギリシアは自国通貨を持たないので、ほとんど民間の借り手と同じ立場に置かれている。

・ベッカー教授
ユーロは現在の困難を乗り切れる。しかし、欧州通貨同盟(EMU)において重要は変更がなされなければ、ユーロは深刻な問題を生じるかもしれない。

EMU各国は財政支出と租税政策を行う権限を持ったままである。よって、経済的な難局はその国特有のものになるが、ユーロを印刷する権限を持たないので、自国通貨切り下げにより、そのショックを相殺することができない。

ギリシアだけでなく、ポルトガル、スペイン、イタリア、アイルランドも金融面で不安を抱える。EMUが各加盟国のもつ課税や政府支出に関する権限を取り上げるといった方策を行わないとギリシアと同じ問題が起きるだろう。