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2011/08/17更新

ゴールドマン・サックス研究 (文春新書)

156分

2P

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強欲資本主義

90年代半ばからウォール街は大きく変質を遂げていった。かつては、実業を土台にしていた資本主義が、金融資本主義、強欲資本主義へと変貌した。ゴールドマンはその尖兵となった。

ウォール街の金融機関は懲りることを知らない。リーマン・ショックの後には、早く死にそうな生命保険保有者のところに行き、その保険解約料より高い価格で買い取り、満期まで保険料を支払う。つまり「人が早く死んだら儲かる」という金融商品を売り出した。彼らの倫理観は狂っている。

こうした倫理観を狂わした一番の原因は、過大な報酬にあると思われる。著者が在籍していた1991年までのゴールドマンでは、年俸が100万ドルであれば、上等だったが、現在は数千万ドル単位になっている。


ゴールドマンの変貌

現在のゴールドマンが上げる収益の9割は、セールス&トレーディング(株式、債券、商品、通貨、金融派生商品等の販売)と投資業務(企業買収、不動産投資等)からなる。

投資銀行の仕事には「バンカー」と「トレーダー」という2種類ある。前者は10年単位の返済計画を持つ債券の発行計画や、買収企業の今後5年の収益計画など扱う仕事。後者はトレーディング・フロアの前で、時に10億ドル単位のポジションを抱えて、神経をすり減らしている。短期の収益を目指すトレーダーにとっては、顧客も市場の一部でしかない。ポーカーと同じで「騙すか、騙されるか」の相手でしかない。

ゴールドマンはバンカーからトレーダーの会社になっていった。これはかつての 会長ジョン・ワインバーグが去ってからで、株式公開によって加速したように見える。