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松下幸之助が、時にふれ折にふれての感慨をそのまま綴ったもの。人それぞれ心にとまる言葉が見つかるはずである。一部分のみを抜粋してまとめとする。

・道
いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道。ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。

・素直に生きる
素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚を生む。逆境。順境そのいずれをも問わぬ。それはそのときのその人に与えられた一つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。

・志を立てよう
志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ずひらけるのである。

・真剣勝負
人生は真剣勝負である。長い人生ときには失敗することもあるなどと呑気にかまえていられない。これは失敗したときの慰めのことばで、はじめからこんな気構えでいい訳がない。真剣になるかならないか、その度合いによってその人の人生はきまる。

・くふうする生活
とにかく考えてみること、工夫してみること、そしてやってみること。失敗すればやりなおせばいい。やりなおしてダメなら、もう一度工夫し、もう一度やりなおせばいい。

・縁あって
お互いに、縁あってこの世に生まれてきた。そして、縁あっていろいろの人とつながりを持っている。人と人とのつながりには、実は人間のいわゆる個人的な意志や希望を越えた、一つの深い縁の力が働いているのである。
そうとすれば、お互いにこの世における人と人とのつながりを、もう少し大事にしてみたい。もう少しありがたく考えたい。

・断を下す
進もよし、とどまるもよし。要はまず断を下すことである。それが最善の道であるかどうかは、神ならぬ身、はかりしれないものがあるにしても、断を下さないことが、自他共に好ましくないことだけは明らかである。

・判断と実行と
60パーセントの見通しと確信ができたならば、その判断はおおむね妥当とみるべきであろう。そのあとは、勇気である。実行力である。