初版から30年を経た今も売れ続ける文章の書き方の名著。論文や報告書など、仕事の文書を書くあたって、必要な技術が満載の1冊。
結論を先に書く、文は短く簡潔に、事実と意見は区別する、読み手を意識する、などの基本的なことが説明されている。文章の事例も豊富にあり、わかりやすい。
普段、自分の書く文章を見直すためにも、一度は読んでおきたい。
■理科系の仕事の文書を書く時の心得
理科系の仕事の文書の特性は、情報と意見の伝達だけを使命として心情的要素をふくまないことに対応する。これらの文書の中には、原則として感想を混入させてはならない。文書を書くにあたっては、以下の通りにあるべき。
①内容の精選
必要なことは洩れなく記述し、必要でないことは一つも書かないこと。何が必要かは目的(用件)により、また相手(読者)の要求や予備知識による。
②事実と意見の区別
仕事の文章を書く時は、事実と意見(判断)を明確にすることが特に重要である。
③記述の順序
・文章全体が論理的な順序に従って、組み立てられていること。一つの文と次の文がきちんと連結されていて、その流れをたどっていくと自然に結論に導かれるように書くのが理想である。
・相手が真っ先に何を知りたがるか、情報をどういう順序に並べれば相手の期待にそえるか、ということに配慮する。
④明快・簡潔な文章
明快な文章の第一の要件は、論理の流れがはっきりしていること。明快に書くための心得は次の通り。
・一文を書くたびに、その表現が一義的に読めるかどうかを吟味する
・はっきり言えることはスパリと言い切り、ぼかした表現を避ける
・できるだけ普通の用語、日常用語を使い、なるべく短い文章で構成する
著者 木下 是雄
1917年生まれ。物理学者 名古屋大学助教授、学習院大学教授など経て、学習院大学名誉教授。 日本語教育に関する著書も多数発表し、『理科系の作文技術』と『レポートの組み立て方』は、現在も毎年重版されるほど根強い人気がある。
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2011年 5/17号 [雑誌] 文章表現・コミュニケーションインストラクター 山田 ズーニー |
帯 作家 井上 ひさし |
帯2 評論家 外山 滋比古 |
帯3 東京工業大学大学院教授 橋爪 大三郎 |
帯4 東京大学准教授 池谷 裕二 |
仕事・人生が変わる すごい! 本 370冊( 日経BPムック) (日経BPムック スキルアップシリーズ) |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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1 序章 | p.2 | 7分 | |
2 準備作業(立案) | p.13 | 11分 | |
3 文章の組立て | p.30 | 18分 | |
4 パラグラフ | p.58 | 11分 | |
5 文の構造と文章の流れ | p.75 | 9分 | |
6 はっきり言い切る姿勢 | p.89 | 8分 | |
7 事実と意見 | p.101 | 11分 | |
8 わかりやすく簡潔な表現 | p.118 | 23分 | |
9 執筆メモ | p.153 | 18分 | |
10 手紙・説明書・原著論文 | p.181 | 21分 | |
11 学会講演の要領 | p.214 | 14分 |