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2011/08/07更新

ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来 (ディスカヴァー携書)

168分

8P

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ウィキリークスとは何か?

ウィキリークスとは匿名で寄せられた政府や企業等の機密情報をインターネット上で公開する一種の機密暴露サイト。高度な暗号技術を使うことによって、告発者の匿名性を保護し、持ち込まれた情報を精査し、サイト掲載する役割を行う。

2006年12月オーストラリア出身の元ハッカーのジュリアン・アサンジュによって創設された非営利組織。機密を暴露する目的は、情報の完全透明化を通じて、社会の不正を暴き、社会をより正義あるものにすること。

多くの個人や組織が、そのミッションに賛同し、ミラーサイトを設けることで側面支援しており、実質的に取り締まることが不可能になっている。

ウィキリークスと米国

初期のウィキリークスは専政主義国家の腐敗を暴くことで、正義のある社会をつくる事をミッションとしてきたため、米国にとって歓迎すべき組織だった。しかし、米軍のバグダッド空爆ビデオや機密文書の公開により、米国にとって不都合な情報の暴露が始まった。インターネットの自由を訴え、検閲を行う専政主義国家を批判してきた米国政府も厳しい立場に置かれている。

ウィキリークスの評価

ウィキリークスの機密暴露は、政府の諜報活動や個人情報を流出させる事で、公共利益や第三者利益に損害を与えることがある。ウィキリークスが目指す公共利益(情報透明化による民主化)と政府の公共利益は一致しない。そのため、ウィキリークスの活動には賛否両論がある。
民主主義には常にバランス感覚が求められる。責任ある透明性が理想とすれば、ウィキリークスは、責任という点で不完全であるが、一方的に批判されるべきではない。報道の自由は民主主義の根幹である。

ウィキリークスとジャーナリズム

ウィキリークスは、米ニューヨークタイムズや英ガーディアン等と提携を行っている。マスメディアにとっても、ウィキリークスのスクープは欠かせないものとなっている。この提携は、ウィキリークスの情報の透明性と大手メディアの情報の信頼性という相互補完を構築した。
ウィキリークスの継続的な成功には、これらのマスメディアといかに連携するかにかかっている。マスメディアは政治的圧力によって、口座を凍結されたりしないからである。
しかし、ウィキリークスとマスメディアとの関係が今後どうなるかはわからない。ウィキリークスは政府を信用しておらず、マスメディアは政府の正当性を信頼しており、あらゆる情報の完全透明化という価値観で異なっているからである。

今後のウィキリークス

ウィキリークス創設者アサンジュは、起訴・逮捕されたが、ウィキリークスが開いた透明化の流れは、もはや止めようがない。政府、企業、宗教組織であれ、権威は内部告発を通じて、機密が暴かれ崩壊する可能性がある。逆パノプティコン社会が到来している。