経営哲学と経営方法
ガースナーの経営哲学と経営方法は以下の通りである。
・手続きによってではなく原則によって管理する。
・やるべきことの全てを決めるのは市場である。
・品質、強力な競争戦略、チームワーク、ボーナス、倫理的責任の重要性を確信する。
・問題を解決し、同僚を助けるために働く人材を求める。
・戦略の策定に全力を尽くし、その実行を経営幹部に委ねる。
・速く動く。
・会議には地位や肩書にかかわらず、問題解決に役立つ人を集める。
成功を収める組織の特徴
①焦点を絞り込んでいる
企業の凡庸さを招く最も一般的な原因は「絞り込みの甘さ」である。焦点を見失った行動を取ると泥沼の深みにはまる。顧客のニーズ、競争環境、経済的な現実を深く理解し、徹底的に分析した結果を基に、具体的な戦略を策定し、戦略の日々の実行に結び付けていくことで成功を収める。分析作業については、客観的な方法で行うことが大切である。
②実行面で秀でている
どの業界でも、競争相手は基本的に同じような戦略で戦っている。従って、成功に導くためには実行こそが重要である。
優れた実行をもたらすものは、価値観と情熱である。実行面で競争相手に差をつけることを望むなら、戦略と価値観を明確に伝え、会社の全ての行動でその価値観を強め、社員が価値観に則った行動を信頼し、行動の自由を与えなければならない。
③顔の見える指導がすみずみまで行き渡っている
組織の変革で最も重要な要因が「顔が見える指導」である。顔が見える指導とは、個人による指導であり、情熱を意味する。偉大な経営幹部は、全員が情熱を持ち、情熱に生き、情熱を愛している。
また、指導者が成功を収める上では、公正さと公平さが必要である。例外を認めれば。部下から信頼されなくなり、指導力を失っていく。
巨象も踊る
小企業は敏捷で、起業家精神に富み、反応が早く、効率的。大企業は鈍重で、官僚的で、効率が低いと言われる。
しかし、大きくなりたいと思わない小企業に出会ったことがない。
象が蟻より強いかどうかの問題ではない。その象が、うまく踊れるかどうかの問題である。大切なのは、敏捷で反応の早い組織になること。そのために、絞り込み、実行、指導の3つは規模を問わず全ての企業に有効である。