1993年4月から2002年3月までIBMの会長兼CEOを務めた著者が経営について語った本。当時のIBMは、コンピュータ業界の変化によって危機に瀕していた。巨大企業としての官僚体質を批判され、それをどう立て直すかが課題であった。
どのようにして当時の危機に瀕していたIBMを立て直したかを学び、経営にとって大切なことがわかる。
小企業は敏捷で、起業家精神に富み、反応が早く、効率的。大企業は鈍重で、官僚的で、効率が低いと言われる。
しかし、大きくなりたいと思わない小企業に出会ったことがない。
象が蟻より強いかどうかの問題ではない。その象が、うまく踊れるかどうかの問題である。大切なのは、敏捷で反応の早い組織になること。そのために、絞り込み、実行、指導の3つは規模を問わず全ての企業に有効である。
著者 ルイス・V・ガースナー
1942年生まれ。米投資会社カーライル・グループの元会長 マッキンゼーを経て、アメリカン・エキスプレスの旅行関連サービスグループの責任者として入社。その後、RJRナビスコ最高経営責任者。 1993年、崩壊の淵にあったIBMを再建するため、著名な経営者のなかから選ばれ、会長兼最高経営責任者となった。数年のうちにIBMを再生させ、1990年代を代表する経営者として称賛を浴びる。2002年春にCEOを退任し、同年末までIBM会長。複数の公職、社外取締役を兼務しているほか、これまでの教育分野での貢献によって、数多くの賞を受けている。
週刊 東洋経済 2011年 1/22号 [雑誌] |
TOPPOINT |
日本経済新聞 大和証券グループ本社社長 日比野 隆司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 誘い | p.22 | 9分 | |
第2章 発表 | p.34 | 10分 | |
第3章 消火栓から水を飲む | p.48 | 11分 | |
第4章 現場へ | p.63 | 8分 | |
第5章 強く抱きしめる作戦 | p.74 | 7分 | |
第6章 止血する、そしてビジョンは封印する | p.83 | 17分 | |
第7章 経営チームを作る | p.106 | 10分 | |
第8章 世界的企業を作る | p.119 | 5分 | |
第9章 ブランドを再生する | p.126 | 5分 | |
第10章 報酬哲学を見直す | p.133 | 10分 | |
第11章 ふたたび海岸で | p.146 | 7分 | |
第12章 IBM小史 | p.156 | 7分 | |
第13章 大きな賭 | p.166 | 7分 | |
第14章 サービス――統合のカギ | p.175 | 7分 | |
第15章 世界最大のソフトウェア事業を再構築する | p.185 | 10分 | |
第16章 店を開く | p.198 | 6分 | |
第17章 スタックを分解して、事業の的を絞る | p.206 | 11分 | |
第18章 eビジネスの台頭 | p.221 | 7分 | |
第19章 戦略についての回顧 | p.231 | 5分 | |
第20章 企業文化 | p.240 | 8分 | |
第21章 裏返しの世界 | p.251 | 11分 | |
第22章 原則によるリーダーシップ指導 | p.266 | 18分 | |
第23章 絞り込み――自分のビジネスを知り、愛しているか | p.290 | 9分 | |
第24章 実行――戦略には限界がある | p.302 | 6分 | |
第25章 顔が見えるリーダーシップ指導 | p.310 | 6分 | |
第26章 巨象は踊れないとはだれにも言わせない | p.318 | 12分 | |
第27章 情報技術産業 | p.335 | 4分 | |
第28章 制度 | p.340 | 5分 | |
第29章 動きを見守る人たち | p.347 | 8分 | |
第30章 企業と社会 | p.358 | 5分 | |
第31章 IBMよさらば | p.365 | 5分 | |
付録A 社員に送ったメールの例 | p.374 | 46分 | |
付録B eビジネスの未来 | p.437 | 15分 | |
付録C IBM再生の財務実績 | p.458 | 4分 |