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クール・ソリューションとは

電気自動車、太陽電池、スマートグリッドなど。低炭素化社会の実現に向けた解決策として注目を集めている、これらを「ホット・ソリューション」と呼ぶ。このホット・ソリューションに対して、過去の解決策として見られがちだが、確実に進歩している技術がある。例えば、ディーゼル車や天然ガス車などの内燃機関の車や、コージェネレーションである。


世界を変えるエネルギー革命

現在、世界では2つの大きな事態が進行している。

①これまで採掘が難しかった「シェールガス」と呼ばれる天然ガスの採掘が可能になったことにより、エネルギー情勢が激変したこと。

②レアアース等の資源を有する国の資源派遣戦略である。

米国の天然ガスは、これまで6〜7年で枯渇すると言われていた。しかし、シェールガスの採掘技術の確立により、国内需要の90〜100年分のガス資源を持つとされるようになった。このあおりで、ロシアは米国に天然ガスを売る利益を失うことになる。
また、ポーランドでも国内消費量の300年分のシェールガスの可能性が出てきた。

世界ではレアアースなどの資源覇権争いが始まっている。資源のない日本は、これらの流れを把握した上で、進むべき方向を考えなければならない。そして、技術力のある日本はクール・ソリューションを積極的に使うことを考えなければならない。


クール・ソリューションによる低炭素戦略

・乗用車は電気自動車とディーゼル車を併用する
・業務用車両は、天然ガス車を利用する
・コージェネを活用する

内燃機関は、実は電気自動車に引けをとらないほどに成長している。マツダの「デミオ」の燃費は1ℓ30kmと既にハイブリッド車並みの低燃費になっている。さらにガソリン車以上に燃費が良いのがディーゼル車である。

業務用車両には天然ガス車が最適解である。CO2排出量は石炭の60%(石油は石炭の80%)であり、CO2排出量を大幅に削減できる。天然ガス車は、すでに世界各国で1200万台以上走っており、近年急増している。

CO2排出量19%の運輸部門に続き、排出量が多いのが家庭部門15%である。太陽光発電の普及にはコストが高いという問題があり、スマートグリッドには蓄電に問題が残る。

そこでコージェネが有効である。コージェネはガスタービンやガスエンジン等を使って、電気と熱を取り出し、全体のエネルギー効率を高めるシステムである。日本でのコージェネ導入率は3.5%と低い。産業用の熱需要の3/4は熱需要であり、熱と電気の両方を省エネ化するコージェネの普及は必然である。

内燃機関のように日本が蓄積してきた技術を大切にすることを忘れてはいけない。