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BOPの概要

BOP(Base Of Pyramid)とは、1人あたり年間所得3000ドル未満の人々をターゲットにした市場である。BOP層は地球上に40億人存在し、最も多いのが、インド、インドネシア、バングラディシュ、ナイジェリアの4カ国である。この4カ国でBOP層の人口は14億人を超える。インドでは人口の95%、残る3カ国は国民のほとんどがBOP層である。


BOP層の消費

人々の生活は一見悲惨に見える。インドネシアのある村では、川で排泄、洗濯を行い、煮沸して水を飲む。一方で川の近くにはコンビニがあり、店内にはテレビが設置され、DVDも接続されている。

また、アフリカやアジアの農村部では、お祭り用の機材として、エレキギターやスピーカーなど村人全員が資金を出し合って購入したりする。ケニアでは、国民の2人に1人は携帯電話を持っており、モバイルバンキングが提供されている。

BOP層の生活レベルや環境は様々であるが、旺盛な消費意欲が存在する。


海外グローバル企業のBOPビジネス

・ボーダフォンの場合
ケニア最大の通信事業者サファリコムへ資本参加を行っている。サファリコムはプリペイドカード式の課金体系を主軸に約10円という小額チャージができる。農村部では電気が通っていない場合もあり、ディーゼルエンジンを代理店に配布し、充電サービスを提供している。現在、ケニア人口3600万中1900万人が携帯電話を利用している。

・ヒンドゥスタンユニリーバ(HUL)の場合
HULは、インドでシャンプーや石鹸などを製造販売している。インドでは人口の70%が農村部に住み、村は40万に及ぶ。そのため、HULは販売ネットワークを構築するために、NGOをパートナーとして、現地女性による販売部隊を組織化した。現在販売員5万人、展開している村15万、1億4000万人を顧客化している。


事業戦略の立て方

①フィールドスタディを行う。
実際に現地に赴き、現地の生活スタイルや消費実態を調査する必要がある。

②ローカライズする。
ローカライズは、低価格化、機能のシンプル化だけでなく、自社のコア技術を組み込む必要がある。その際、何がコア技術となるのか、よく考えなければならない。

③NGO、NPOと連携しネットワークを構築する。
農村部では、十分な流通チャネルが存在しない。そのため、地場のNGO、NPOと連携することが重要となる。

④ビジネスモデル全体をプロデュースする。
単純に低価格というだけでは成功しない。販売スキームまで設計する必要がある。

⑤「体験型プロモーション」の実施
最も効果的なブランディングは、消費者に体験してもらうことである。