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AKB48のビジネスモデルの特徴

①秋葉原にAKB48劇場という専用劇場を作った。
②低価格である。最初の入場料はイス席1000円、立ち見500円。
③ターゲットは若くて収入の低いアイドルおたく達

不況期に強いビジネスモデルとは

低価格でも、コアなファンをつかまえていれば不況期にも強い。AKB48は、劇場でコアなファンを押さえて細く長く続けるという戦略をとっており、最低限のコアな顧客で成り立つような不況に強い設計になっている。

同様のビジネスモデルには、演歌歌手がある。演歌歌手はコアなファンを数千人、数百人でも抱えているので不況に強い。苦しいときにもファンは支えなければとお金を出してくれる。

一方でテレビは不況に弱い。同じアイドルビジネスでも「おニャン子クラブ」や「モーニング娘。」はテレビに依存しており、視聴率10%、1000万人の視聴者をつかまえなくては生き延びられない。


デフレ不況で増殖する「心の消費」

今の若い人たちはブログや掲示板への書き込み、ユーチューブやニコニコ動画などの動画サイトの鑑賞と投稿、無料オンラインゲームなどに多くの時間と労力を投入している。そこでは自分が書き手となり、自分の内面や生活を表現しながら、自分自身で消費している。ブログは典型であり、自分の考えを文字にして、自分の物語をつくり、それを消費している。

つまり生産と消費が一致しており、そこからは経済を支える消費は生まれない。デフレ不況の中で、金銭の授受を伴わない非経済活動、「心の消費」を行う人が増えている。

デフレ不況の中で、経済的に弱い立場にある若い人におたくブームが起こり、AKB48という「会いに行けるアイドル」というコンセプトで売り出すグループが出てきたことは、偶然ではない。そこには意図的なマーケティング戦略が仕掛けられている。

「ヤマダ電機」「ドンキ・ホーテ」「ユニクロ」「H&M」、牛丼屋や回転すしなど、安い費用で長く楽しめる企業が好調であるように、アイドル市場もこの傾向とは無縁ではない。AKB48は、若い世代に簡単に手が届く「ユニクロ」「H&M」と同じである。

AKB48は経済的に苦しんでいるみんなに希望が持てるようなモデルを提供している。