「高福祉国」というと「医療や教育が無料で受けられるが、その分税金が高い国」という一般的なイメージがあるが、「デンマーク」を事例として「高福祉国」の実態を解説する。
著者は、デンマーク在住40年超、国籍もデンマークにかえており、国民の目線からデンマークという国を捉えている。
デンマークは、高福祉、高負担の国である。医療費、出産費用、小学校から大学までの授業料は無料である。年金も全て国税で賄われる。一方で、税金と社会保険料の所得に対する負担率は71.7%にもなる。消費税は25%である。
デンマークは国民の幸福度ランキング第一位である。しかし、問題がない訳ではなく、離婚率が高いや、自殺者が多い、孤独を抱える人が多いなどの問題も抱える。
高福祉であっても、国民全てを幸せにすることはできないのである。
1944年生まれ。社会起業家、環境活動家。S.R.A.Denmark代表、風のがっこう代表。 現在デンマーク在住だが、年に数回、来日し、講演活動などを精力的に行なっている。講演のテーマは、環境・福祉・教育など、デンマーク国内の事情に関して多岐に渡る。 デンマークが世界的にリードする風力発電、バイオマスプラントを日本に普及させる事業も手がけている。
TOPPOINT |
週刊 東洋経済 2011年 1/8号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 6分 | |
第1章 デンマークの高福祉社会 | p.19 | 46分 | |
第2章 デンマークの高負担の実情 | p.101 | 17分 | |
第3章 デンマークの問題点と共生社会 | p.131 | 13分 | |
第4章 デンマーク史概略 | p.155 | 10分 | |
あとがき | p.172 | 2分 |
国債発行による累積財政赤字を解消する為に消費税額を上げる必要があるという意見がある。2010年5月、…